本格的なシーズンを迎えているスキーやスノーボードなどのウインタースポーツ。スキーヤーやスノーボーダーはもちろん、スキー場の運営者にとって、最も注意しなくてはならないことに事故防止がある。スキーやスノーボードを安全に楽しんでもらい、スキー場の評判を維持向上して集客を維持する上で重要な事故防止に、韓国のスキー場が「HD-PLC」の技術を使って取り組んだ。江原道(カンウォンド)の原州(ウォンジュ)市の「Hansol Oak Valley Ski Resort」である。
韓国北部の江原道は、日本でも人気を集めたドラマ「冬のソナタ」の舞台になった春川(チュンチョン)市や、2014年の冬季五輪候補地だった平昌郡(ピョンチャン)など、冬のリゾートが集積している地域として韓国では知られている。その江原道の原州市に2007年末にオープンしたOak Valley Ski Resortは、10本の滑走コースを備える大規模なスキー場だ。
スキー場で事故が起こりやすい場所の一つにリフトの乗降場がある。長いスキー板を履いたままで、もしくは担いで、常に動き続けるリフトに乗り降りするのは、慣れないスキーヤーにとってはとてもやっかいなものだ。中には乗り降りの際に転倒してしまうスキーヤーも少なくない。自力で起き上がれないような場合は、リフトを止めてスタッフが助けなくてはならないこともある。
既存の電力線を利用し、低予算で実現
そこで同スキー場ではオープンにあたり、ライブカメラを各乗降場に設置し、その映像を一元監視する体制をとることにした。倒れた乗客を見つけたら、リフトを止めるべきかどうか、さらにスタッフを派遣するかどうかなどを、ライブカメラから送られてくる映像を見ながら、管理室で判断する方式を考えたのだ。
ところが、ライブカメラの映像を送るためだけに専用のネットワーク回線や同軸ケーブルを敷設するのは、広大なスキー場だけに大きな投資が必要になる。そこでOak Valley Ski Resortは、既に各乗降場に敷設されている電力線に映像データを伝送できる「HD-PLC」に注目したわけだ。この結果、ライブカメラ映像データの伝送にかかる投資はミニマムに抑えることができた。
Hansol Oak Valley Ski Resortの場合、ライブカメラはスキー場内のリフト乗降場合計7ヵ所に設置した。それらの映像はPLCアダプターと電力線を介して管理室に送られてくる。モニターで各乗降場の様子を確認しながら、スキーヤーの転倒など危険な状態を発見した際には、管理室側からリフトを止める操作を行うことができ、スピーディな対応がとれるようになったという。
手軽にしかも低予算でライブカメラによる安全性を確保できたという実例がでてきたことで、今後はスキー場だけでなく、新たに配線を敷設するのに大きなコストがかかる場所や、新たな配線がしにくい場所でのPLC技術の活用が、ますます増えていくだろう。
※ 日本では、電波法令により高速PLCの使用は屋内に限定されています(2008年11月現在)。








