PLC(Power Line Communication)とは、高速電力線通信と呼ばれる技術の総称です。これまで電気を送るだけに使われていた電気の配線(電力線)を、インターネットでやりとりするようなデータを送受信する技術がPLCです。
電気を送っているケーブルで、複雑なデータを送る仕組みですが、電気は50ヘルツ(1秒間に50回)や60ヘルツ(同60回)といった比較的低い周波数の大きな波として電線の中を流れています。一方、データの方は2メガヘルツから30メガヘルツといった高い周波数で、小さな波になります。メガは10の6乗つまり百万ですので、電力の波とデータの波は百万倍も揺れかたが違うわけです。この、揺れかたに大きな違いがあるために、お互いの波が混ざって影響し合うということがありません。
では、この仕組みで、どれくらいの量のデータを送れるのかというと、1秒間に約90メガビット程度になります。分かりやすく言うと、これはハイビジョンの映像を十分に送れるくらいのパワーですので、インターネットを快適に使うことができるというわけです。
家庭用には3種類のPLCがあります
現在、PLCには3種類のものがあります。具体的には、日本のパナソニックグループが中心となって提唱している「HD-PLC」※(高速電力線通信)、米インテルを中心に推進されているHomePlug、そしてヨーロッパの企業が中心となっているUPA(Universal Powerline Association)の3つの方式です。それぞれの方式を採用した機器が市販されていますが、異なる方式の機器同士の間ではデータをやりとりすることができません。これでは不便なので、方式を標準化して、どれでもつながるようにしようとしているところです。
PLCアダプターでホームネットワークはぐっと身近に
家庭でネットワークを構築する際に、無線LANでは1階と2階の間では電波が届きにくいような場合もあります。目に見えない電波なのでデータが他の人に読み取られてしまうというセキュリティ上の不安も皆無ではありません。それならばとLANケーブルで接続するとなると、配線が見苦しくなってしまいますよね。
これらに対しPLCは、ネットワークの専門的な知識も必要なく、簡単な設定で使うことができ、セキュリティにも配慮されています。PLCアダプターを使えば、コンセントがある部屋なら、どこでもパソコンや情報家電を接続してホームネットワークを構築できます。配線で部屋の雰囲気を損ねることがなく、スマートにホームネットワークが実現するわけです。
PLCはさまざまな可能性を秘めています
家の中にたくさんある電気製品がコンセントにつながっているからこそ生まれるメリットもあります。つまり、ドアホンや冷蔵庫、エアコン、テレビ、 家じゅうの家電製品が、PLCという仕組みを使って情報をやりとりしたり調整したり、オンオフしたりできるようになるわけです。例えば、会社のパソコンから、部屋の電気をオンオフしたり、切り忘れてきたエアコンをオフにしたり、さまざまな新しい良いことができる可能性がPLCにはあるのです。
このWebサイトでは主に、PLCの1つの方式である「HD-PLC」を取り上げ、「HD-PLC」が広がることで世の中にどういうメリットがあるのか、その可能性をお伝えしてまいります。
HD-PLCマガジン編集部
※「HD-PLC」は既存の電力線を利用して簡単にネットワークを構築できる電力線通信方式です。
PLCによるホームネットワークの仕組み

電力の信号は(1)のようなゆっくりとした大きな波です。一方、インターネットなどの情報を送るデータは(2)のような細かくて小さな波。(3)のように同じ電力線の中を電力の波とデータの波を重ね合わせてコンセントまで送ります。最後に、アダプターを通すと(4)のように必要なデータを取り出すことができます。
(この絵は、HD-PLCアライアンスのホームページから転載しました)










