「HD-PLC」の技術を活用してブラジルで進行中の国家プロジェクトが、新しい局面を迎えている。「HD-PLC」で電力網の最適化や地域間格差の解消に取り組もうというプロジェクトに、ブラジル以外のペルーやアルゼンチンなどの国やメーカーからも熱い視線が向けられるようになったのだ。世界共通の課題に挑むブラジルでの実証実験の行方には、国際社会からの注目が集まっている。
ブラジルで進められているプロジェクトは、インターネット環境を国家主導で整備し、国内に広がる経済面や生活面の格差を解消しようというもの(関連記事)。電力網をネットワーク回線として活用し、日本と同方式を採用する地上デジタル放送のリターンチャネル(上り回線)として使うことで家庭にインターネット環境を普及させるほか、家庭での電力消費量をリアルタイムで収集し、発電所の効率的な運用で電力供給の安定化をはかることなどを目指している。特に後者については米国などが提唱する電力供給のITによる最適化、いわゆる「スマートグリッド」の先駆け事例として、国際的にも注目度が高い。
そのプロジェクトを支えているのが「HD-PLC」だ。電話の普及率が相対的に低いブラジルでは、電話回線を前提としたインターネット普及は非現実的。しかし「HD-PLC」の技術を使えば、国内に張り巡らせた電力網をインターネット回線として利用できるからだ。主な実証実験はすでに終了し、家の中に置くモデムの代わりとなる「HD-PLC」モジュール入り電力メーターの試作機も完成している。プロジェクトが技術検証のステージから導入のステージに進んだことで、ビジネス拡大の可能性を再認識した国やメーカーが増えてきているのだ。
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