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HD-PLCアライアンス会長インタビュー

電力線を使って機器をネットワークにつなぐPLC(Power Line Communication)。日本発のPLC通信方式である「HD-PLC」(高速電力線通信)を推進する団体「HD-PLCアライアンス」の小林英次会長は、「HD-PLC」を特徴づける一つのキーワードに「グリーンユビキタス」を挙げる(前編参照)。今回のインタビュー後編では、「HD-PLC」が目指すという「グリーンユビキタス」の世界を解き明かす。

●——「グリーンユビキタス」とは聞き慣れない言葉です。どんな構想なのでしょう。また、「HD-PLC」との関係を教えてください。

小林: どこからでもネットワークにつながる世界を、地球環境への負荷を抑えながら実現するというのが「グリーンユビキタス」の目指すところです。今の時代、生活を便利にする製品だとしても、環境に大きな影響があるとすれば、簡単には導入を進められるものではありません。これからお話していきますが、「HD-PLC」は実は2つの側面から、「グリーンユビキタス」の実現に貢献できるのです。

小林会長

一つはネットワークに必要な配線、つまりケーブルの削減です。ネットワークに機器をつなぐには普通、ケーブルが必要になります。しかし、ケーブルは、その製造過程でかなりのCO2を排出します。つまり、ケーブルの削減は、地球環境を保護する上で重要なCO2排出量の削減につながるのです。「HD-PLC」は既存の電力線を活用するため、新たなケーブルを用意する必要がなく、ケーブルの製造、つまり新たなCO2の排出を抑制できる可能性があります。これが一つ目のポイントです。

実際、ある中学校ですべてケーブルで構築していた校内LANに、PLCアダプターを15台導入したら、ケーブルの総延長は900メートルから300メートルに減りました。削減分の600メートルのケーブルを製造することで排出されるCO2は27.6kgにものぼります。これをCO2の容積で表すと、サッカーボール2,760個分にも相当するのです。

600メートルのケーブルを製造することで排出されるCO2排出量27.6kg

ある中学校で校内LANを有線からPLCに置き換えた例
PLC導入でケーブルの総延長は900メートルから300メートルにまで600メートル削減できた。
製造段階で排出されるCO2に置き換えると、サッカーボールの大きさで2760個にも相当。

わずかな差が大きな効果を

●——新たなケーブルを使わずに済むことによるCO2削減効果は少なくないようですね。でも同じようにケーブルを使わないという点では、無線LANという選択肢もありますが。

小林: そこでもうひとつのポイントになるのが、「HD-PLC」の特徴である消費電力の少なさです。無線LANの機器は1時間に4ワット、最新のものになると7~14ワットの電力を消費します。しかし新しいPLC対応アダプターが1時間に消費する電力は3ワット、待機状態では1ワットにまで抑えられています。

この消費電力の差はわずかですが、ユビキタス社会ではあらゆる機器がネットワークにつながるため、社会全体で消費される電力、つまり合計では大きな差が出てきます。少ない電力消費すなわち少ないCO2排出量でユビキタス社会を実現できるというのが、「HD-PLC」がグリーンユビキタスをもたらすという第二の側面なのです。

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