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特集

国や地域に限定されない技術で横展開進む

小林氏がその世界的な横展開の具体例として挙げるのが、ブラジルのケースだ。ブラジル全土の公立学校約18万校にインターネット接続が可能なパソコンを導入し、教育レベルの向上を図ろうというプロジェクト。低コストでかつ環境に配慮しながら校内のネットワークを構築する手段として、ブラジル政府やブラジルの産業振興を目指す非営利団体APTELが、既存の電力線を活用できる「HD-PLC」に着目した。設置作業も実際に始まっている。

もともとこのブラジルの例は、日本の中学校で試験的に構築したノウハウがベースになっている。電力線という一般的なインフラを活用するため、日本の例をそのままブラジルに展開することが可能だった。さらに規格面での国際標準化により、こうした事例を横展開することで実現するビジネスのチャンスはワールドワイドに広がる。デジタルデバイドや経済格差はブラジルに限らない世界的な課題だから潜在的な需要は巨大だ。

HD-PLCアライアンスはブラジルAPTELや中国IGRSといった各国業界団体との連携を

HD-PLCアライアンスはブラジルAPTELや中国IGRSといった各国業界団体との連携もすでに進行中だ(クリックして拡大)

「ある国や地域に限定されて、他に広がらないアプリケーションでは、技術を開発しても貢献は進みません。HD-PLCを使ったアプリケーションが簡単に世界へ広がることが保証されたことが、今回のIEEE P1901による標準化の意義なのです」(小林会長)。

中国での普及促進も着実に進行

台湾Topco Technologiesが開発した「HD-PLC」対応LED街灯の前で展望を語る小林会長

台湾Topco Technologiesが開発した「HD-PLC」対応LED街灯の前で展望を語る小林会長
「HD-PLC」で遠隔制御可能なこの街灯も「HD-PLC」の国際展開の中で生まれたもの

「HD-PLC」をベースにしたアプリケーションが世界へ広がるに際しては、広大な国土を持つ中国での利用も見逃せない。中国ではメーカーなど122社(2009年2月1日現在)が加盟する業界団体IGRS(Intelligent Grouping and Resource Sharing)が昨年7月、「HD-PLC」をベースに中国国内でPLCの普及を図る方針を決定。11月には日本のHD-PLCアライアンス関係者がIGRSの総会で講演し、12月にはワーキンググループも設立されている。IGRSは中国の国家標準策定に大きく関与しており、IGRSによる“お墨付き”は、「中国での「HD-PLC」普及が確約されたと言っても過言ではありません」(小林会長)。

既にIGRSからは、関係者が「HD-PLC」検証ハウスを訪れるなど、HD-PLCアライアンスと協力して具体的な利用シーンの策定を始めているという。「日本で培ったHD-PLCのノウハウや技術情報は、中国を含めあらゆる国や地域から関心を持たれています」と小林会長。HD-PLCを応用したシステムのビジネスチャンスはさらに広がりそうだ。

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