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ブラジルで進むインフラ充実に力を発揮

2008年、日系人の移住100周年を迎えた南米のブラジル連邦共和国。BRICsの一角として急速な経済発展を遂げる一方で、経済面、生活環境の両面で国内では地域間格差が広がっていると言われる。これに対し、ブラジル政府はインターネット環境の整備を通してこの格差解消を図ろうとしている。その切り札として注目されているのが、簡単にネットワークを構築ができる「HD-PLC」だ。

ブラジル政府が、地域間格差の一因でもあるインフラ整備の遅れを取り戻すにあたり、特に大きな課題として上げているものに家庭への電力供給がある。具体的には、現在70~80%程度に留まっているとされる電力供給の普及率を2008年中に100%に引き上げるという目標を掲げているのだ。

しかし、家庭への100%給電をまかなうには発電設備への巨額な投資が必要で、電力会社にとって大きな負担になる。一方で電力会社は、契約者がメーターを介さずに電気を引き込んだり、メーターに細工するなどの盗電にも悩まされている。そこで政府はまず、盗電を防止するシステムを整備して電力会社の経営基盤を強化しておいてから、家庭への給電普及に弾みをつけようとしている。その盗電防止システムの要を担うのが「HD-PLC」だ。

電力使用量は「HD-PLC」で家庭に知らせる

具体的には「HD-PLC」モジュールを組み込んだ電力メーターを、電柱の“高い位置”に取り付ける。従来も、住宅の壁などではなく高い所に電力メーターを設置すれば、勝手にケーブルをつないで電気を引き込んだり、メーターに細工することは防げた。しかし、これでは契約者が電気の使用量を自ら確認することができない。

そこで「HD-PLC」の技術を応用して、高所に設置したメーターが計測した使用量のデータを電力線に乗せて各家庭に送り、家庭側に設置した表示機で使用量を表示することにした。メーターの計測機能と表示機能を分離するというわけである。

HD-PLCモジュール内蔵の電力メーターを電柱の高所に取り付け、盗電対策を実現しつつ家庭で使用電力のチェックは従来通り可能に

HD-PLCモジュール内蔵の電力メーターを電柱の高所に取り付け、盗電対策を実現しつつ家庭で使用電力のチェックは従来通り可能に

個々の電力メーターは光ファイバー網につながっており、各家庭が使った電力量の情報は電力会社に集められる。料金の滞納が続いている場合は、光ファイバー経由でメーターを遠隔制御し電力供給を止めることも可能だ。つまり、電力会社は、「HD-PLC」と光ファイバーによるネットワークにより、盗電を防止する一方で、実際の電力消費量を地域ごと、家庭ごとにリアルタイムで把握しながら、必要な発電量をコントロールできる。これにより、ムダな発電を抑えられるという利点も大きい。

さらに「HD-PLC」モジュールを内蔵した電力メーターの普及は、情報の地域格差、いわゆる「デジタルデバイド」解消の面でも期待されている。

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